岸田新自民党総裁考
9月29日の自民党総裁選挙はかつての派閥の力関係による候補者一本化はなく、岸田文雄氏、河野太郎氏、高市早苗氏、野田聖子氏の4者の争いとなりました。1回目の投票では党員支持票で優位の河野氏も上位2者による決選投票では、党員票382⇒都道府県連票47と激減するため、国会議員票(事実上の派閥票)を安定的に獲得した岸田氏に決定した模様。
投票結果は以下の通り。
岸田文雄氏 | 河野太郎氏 | 高市早苗氏 | 野田聖子氏 | |
国会議員票(382) | 146 | 86 | 114 | 34 |
党員票(382) | 110 | 169 | 74 | 29 |
1回目投票合計(764) | 256 | 255 | 188 | 63 |
国会議員票(382) | 249 | 131 | - | - |
都道府県連票(47) | 8 | 39 | - | - |
決戦投票合計(429) | 257 | 170 | - | - |
脱派閥と言われた総裁選も蓋を開ければ派閥間の綱引きで終始したと言えますね。投票結果を見ると高市氏と河野氏の出馬は当て馬的要素が強く結果的に細田派と麻生派が岸田氏に恩を売る形となっている点がプロの政治家の真骨頂を見せつけられた気がします。
さて、今後は党内人事・組閣と進んでいくわけですが、阿部・麻生色の強い政権が維持されることは確実で、海外投資家としてはアベノミクスの延長戦ととらえるのではないでしょうか。と言っても、市場は岸田氏が総裁選で掲げた数十兆円規模の大型経済対策が打ち出されることを期待しているわけですから、その中身を覗いてみたいですね。
- 市場原理を重視する「新自由主義経済」からの転換と「成長と分配の好循環」を通じた格差是正。
- 「医療難民ゼロ」「電子的ワクチン接種証明の活用」などの新型コロナ対策。
- 防災・減災・国土強靭化投資の拡充。
- 地方におけるデジタルインフラの整備などデジタル田園都市国家構想。
- 原発再稼働などを含むエネルギー政策。
上記の経済対策から浮上する関連テーマ・銘柄群をウォッチしてみたい。
- 【遠隔医療】メドレー(4480)
- 【医療人材】MRT(6034)、ケアネット(2150)、SMS(2175)
- 【ワクチンパスポート】ITbookHD(1447)
- 【DX】チェンジ(3962)
- 【脱炭素】レノバ(9519、風力発電)、イーレックス(9517)、ウエストHD(1407)、アストマックス(7162、地熱発電)、ENECHANGE(4169)
- 【脱ハンコ】GMOグローバルHD(3788)、弁護士ドットコム(6027)
- 【子育て支援】JPホールディングス(2749)、ポピンズ(7358)、ライク(2462)、カラダノート(4014)、幼児活動研究会(2152)